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大工亀ちゃんのこだわり造家計画
こだわりの木材を求めて!能登ヒバ(1)

今回は能登ヒバを求めて石川県輪島まで行ってきました。
そもそも私と能登ヒバとの出会いは10年ほど前に小さな自宅を建てたときの事。その時に材木屋に大黒柱にと用意してもらった材料が能登ヒバの7寸角でした。

こちらから言って探してもらったのか、材木屋が勝手に持ってきてくれたのかよく覚えていませんが、その頃から使いたい材料だったのは確かです。以前にも何度か見積で能登ヒバにはトライしたのですが、手の届く価格ではなかったので、諦めていました。

そこで登場したのがコボットの田中君でした。以前にも岩手の赤松や、青森ヒバでお世話になり、電話などで話すたびにヒバの話はでていました。

とうとう見つけてきてくれました!

能登ヒバです。価格もぐっとおさえて、自分達の建築にも手が届くくらいの価格で、本当に嬉しかったです。

能登ヒバの旅ヒバといえば、前回の青森ヒバでも説明したとおり木のいろいろな力は桧以上だと思っています。それが使えるかも、と嬉しい知らせに今回能登まで飛んでいくことになりました。

さて前回の青森に比べれば能登は目と鼻の先ですが、今回はお施主さんも同行という事でお施主さんの予定に合わせて、1泊での見学ツアーになりました。(最初は日帰りだったんだぞ〜)

それでも1日目で大半の目的を果たさなくてはならない予定となり、こちらを深夜2時半に出発、金沢に7時到着ということになりました。

金沢に到着した私とお施主さんとコボットの田中を迎えてくれたのが、株)ムラモトさんの社長でした。市内で健康素材にこだわった材木屋さんで、なんと北信越の木青連の会長も務めている方でした。会長さんといっても歳は私より少し上でしたけど、能登ヒバに関しても、すごく前向きな方で能登ヒバのこれからもいろいろ考えておられました。

この4名で、まずは2時間ぐらいかけて輪島市内の製材所、鳳至木材さんにお邪魔することになりました。

能登ヒバの減額に「鳳至木材さんへ」ここは能登ヒバでは石川県でNo1の製材所で、県内の住宅、公共建築にもかなりの量の能登ヒバを年間納めている所なんです。(たのしみです)

ところで今回の私の目的はまず能登ヒバのいろいろな力、製材施設、乾燥施設、能登ヒバの建築後の縮み、くるい、価格そして関係者の気持ちです。

鳳至木材さんでまずお世話になったのが、宴会部長の、違う、違う、(^_^;) 営業部長の四住さん、この方は私より2つ年上でプロ野球のドラフトにもかかったほどの地元のスーパースターらしいんです。後で輪島の朝市に連れて行ってもらったのですが、やっぱりスターでした。

そんなことはさておき、四住さんの説明を聞きました。

能登ヒバまず地元では能登ヒバとは呼ばず、アテと呼ぶんだそうです。

アテというと大工達は木の癖のある所のことを言います。あまりいい所ではありません。地元の人にもあまりよい材料とは思われていなかったのでしょうか?

このアテは能登に自生していた木ではなく植林されたという事らしいんです。元はなんとあの青森ヒバなんだって。昔、青森ヒバは青森、仙台の次に金沢で使われていたそうです。(海運業が発達したおかげで)その時にこちらに植林されたのではないかという説があるそうですよ。

ですからアテはみんな植林なんです。このアテには3種類ありマアテクサアテカナアテと呼ばれているものがあります。

能登ヒバマアテは堅くて伸縮が少なくややねじれはしますが横架材にはむいています。クサアテはマアテに比べて柔らかく直材が多く柱に向いています。カナアテは堅すぎて強いのであまり建築材料にはむいてないそうです。アテの曲げ強度やヤング係数は青森ヒバ、桧よりも強い事がわかっています。そのほかの性質は青森ヒバと同じです。

地元の人はこれらをうまく使い分けているのです。

私達も製材された材料や丸太を見せてもらったのですが、なんとなくはこの3つの違いはわかりましたが、完全に見極めるには四住さんでも難しいらしいです。

製材施設を見せてもらって新しい加工機もあり、土場一面におかれている丸太を次から次へと製材していました。

乾燥に関して聞いてみると、まず丸太のままで天然乾燥して50%以下にするそうです。それから製材し、乾燥機に入れる。乾燥方法は減圧式の蒸気乾燥で約30%〜20%ぐらいに水分を落すらしいです。その時、材料によっても釜の温度や乾燥時間も変えてその材料にあう乾燥方法でやることまで出来るそうです。

能登ヒバ「けど30%はちょっと高いんじゃない?」と聞いたところ、アテの場合30%ぐらいでも材料の縮み、くるいはそんなにないそうです。本当に〜?と疑問を持ったのですが、後で実際に建てられたアテの家を見せてもらった時、未乾燥での材料を使用したらしいのですが、思ったほど縮み、狂いが少なかったのを見て、これはいけると思いました。

ただ心配なのは、能登の気候と三重の気候の違い、これがアテに対してどれ位影響があるかということぐらいです。

ひととおり聞いたところで先ほど出てきた能登ヒバの家の見学です。製材所から車で2、3分の所にあの有名な輪島の朝市があって、朝市の入口に見学する家があります。5年くらいたっているらしいのですが、アテの外壁も傷んだ様子はないし、色も悪くないなあと思いながらみんなで玄関の扉を開けて入ってみると、5年も経っているのにまだヒバのなんともいえない、なんか気持ちを落ち着かせてくれるほのかな香りがいまだにするんです。ここであらためてヒノキチオールの成分の多さにびっくりしました。

中に入ってみると、こちらの方は柱や梁、木の見えるところはすべて漆を塗る習慣があって1階部分は漆が塗られていて綺麗に黒光りしていました。

能登ヒバちょっとよくわからないなあと思って2階に上がってみると、すべてが白木のままでした。「これだ!」と思い、じーっと観察してみると、干割れはありますが未乾燥材を使ったというわりには、縮みもくるいもありませんでした。それに綺麗に木肌が仕上げられピカリと光っているアテの木の印象が強かったです。

3人顔を見合わせて「これはいける」と一声!

大工としては材料の性質自体はわかっているものの、実際に刻んで建てたことのない材料は、どんな動きするのか心配でした。けど思っていた程ではなくこれなら自分の思っている刻みが出来るぞと楽しみになってきました。

ベランダも外部に露出になっていましたが色は灰色に変色していましたが、風化、腐れなどはいっさいなくアテの強さを確信できました。

この後もこの近くに最近完成したアテの家があるということで、いきなり5人で押しかけて行き見学させてもらいました。本当にありがとうございました。そのお宅もやっぱりアテの香りがしていました。

能登の朝市朝市を歩きながらいろいろ話を聞きました。アテの価格はすごく変動するという事。これはアテという木は主に石川県それも奥能登の方だけで植林されているそうなので年間の伐採量はあまりないらしいです。そこに大きな物件や突然の天災などがあったときはすぐに品薄になってしまうそうです。そんなときはすぐに価格が跳ね上がってしまう。

しかし今は、その逆、材木が余っている状態なので価格は下がっているらしいのです。
これはラッキー!

それとインターネットで「能登ヒバ」という言葉で検索してみても、情報を発信しているところが少なく・・・

モトムラさん筆頭に産地はこれから能登ヒバをもっと全国にアピールしたい。
そこで太平洋側に(三重県)オール能登ヒバの家を建てて欲しい。
このすばらしい材料をもっとみんなに知ってもらいたい。
今までは地元だけで成り立っていた産業もこれからの事も考えると今のままではだめだ、そのためにこの力を持っているアテをもっとよい材料にして皆さんに知ってもらう。

そのためにみんなで話し合いいろんな事に取り組んでいく。

そういう気持ちを聞きました。

この前向きな気持ちを聞いて能登ヒバなら大丈夫だと確信しました。

能登ヒバこの後地元の郷土料理をたらふくよばれて輪島市の木材市場に行きました。そこにはアテの丸太がたくさんおいてありましたが青ヒバに比べて1マワリも2マワリも小さい感じでした。でも丸太の数はずいぶん多かったです。

アテの山が比較的若いということもあり、樹齢としては50〜70年生ぐらいかな、今では柱、土台という小径木は多くとれるようになりましたが、直径30cm以上の木は少なく梁や桁を取るのは難しかったみたいです。けれど最近、その梁や桁が取れるような大径木もたくさん出てくるようになり、オール能登ヒバも実現できるようになってきたということです。

能登ヒバ丸太の木口を見るとわかるけど、樹皮の白太の部分がアテは非常に少ない、だからほとんどが赤身で材料が取れる、それは本当によいことで桧の柱は強いんだけど、白太のほうが多いですからね。

そうそう桧の柱と比べたついでに私の造る家は柱によく特1等の柱を(節のある柱)使うのだけれど、この節がすごく難しい。無地の柱は節がないから簡単だけれど、節のある柱は、節の質、数、大きさ、色、形、これだけ注文があるから難しい。桧は節が死に節が多く、形も揃わない。

それに比べてアテは100円から500円玉くらいの大きさのまん丸の節が柱1本にくどくなく品よく(品よくってどんな感じだ〜)入っている。これは絶品!桧では、まず無理。(変なところにこだわるけど・・・(^^ゞ)

こんな感想を持ちながらいつの間にか輪島を離れていました。四住さん、ありがとうございました。

この後、ムラモトさんの秘蔵の倉庫に寄りこだわった材料の数々を見せていただき、外材専門の日樽産業株式会社に立ち寄り、今日泊まる金沢市内のビジネスホテル、あの有名な女社長のアパホテルに到着し、また新鮮な北陸の魚介類とまろやかな日本酒をいただき、最高の金沢の1日を締めくくっていただきました。

ムラモト社長、余海さん、ありがとうございました。
 
⇒第2日目はいろいろなところを見学に!

目次ページへ戻る 2005年7月13日更新

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